DRG/PPSの採用とTQM・EBM 立石春雄 飯塚病院 |
1965年に始まったメディケア・メディケイドにおける支払方式は当初は出来高払方式であったが,医療費高騰のために1983年からDRG/PPS(診断群別包括支払方式)が採用されることになった.その結果,平均在院日数の短縮,病院数・ベッド数の減少などに影響が出た1).包括支払方式が導入されたことによって,病院は自分達の生き残りのために否応なく,医療の質を落とさずにコストを削減しなければならないという,トレードオフともよばれる問題に直面することになった.そこでその対策として,当時,アメリカの製造業が日本のQC活動を参考にして採用していたTQCの手法を病院にも取り入れる試みが1987年頃から始まった2). TQCはtotal quality controlの略で,TQM(total quality management)ともCQI(continuous quality improvement)ともよばれることがある. 日本においては平成10年11月より国立8病院と社会保険の2病院の計10病院で日本版DRGともいうべき「急性期入院医療に対する定額払い方式の試行」が始まり,その期間は一応5年間とされている.また西暦2000年に予定されている保険医療改革に対して,自民党原案のなかで「高齢者や慢性疾患の患者に包括払いの段階的導入を検討」という記事がみられる3).今後は,日本の病院でもますます「医療の質」と「コスト削減」との関係は避けて通れない問題になると考えられる. 臨床の質におけるクリニカル・インディケーターはまだ確たるものはなく,病院間の臨床の質の格差はわからないのが現状だと思われる. 医師のデシジョン・メイキングの際に,ACP on Disk-2(American College of Physician)やCochrane Libraryあるいはクリニカル・ガイドラインの利用などによるEBMの役割が臨床の質向上にはますます大事になり,また広範にEBMを取り入れた病院とそうでない病院との質の格差は明確になってくるものと考える. |
| 文献 1)川渕孝一,DRG/PPSの全貌と問題点,p7,薬業時報社,平成9年7月発行. 2)Berwick DM, Godfrey AB, and Rossner J:p23, Curing Health Care, JOSSEY-BASS, 1990.(中山書店から刊行の予定) 3)読売新聞,1999年8月18日号. |
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